| アパートメントオラクル <310> ホステス役の彼女は首を横に振ってお金はいらないと言った。 木亭は実際お金をとられることはないような気はしていた。このバーは実世界とは違う場所にあるのだと思ってはいた。 だが、もしかしたらということもあり念のために聞いたまでであった。 給料日前で懐の寂しい木亭にとってお金が出て行かないのであればそれに越したことはなかった。だが、この奇妙な体験がはたしてお金で買えるものであろうかと思うとそれは疑問であった。 では、何を対価としてさしだせばいいのだろうかと考えると少し恐い気がした。 |