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アパートメントオラクル
<270>
「不思議な話だ」
恰幅のいい紳士が言った。
「まったく、もちろんそれは実話ではないんだろう?」
細身の紳士が言った。
木亭は答えなかった。木亭にとっては自分がこんな物語を即席で作り上げていることが信じられなかった。どこから思いついたのかわからなかった。いや、なぜか昔から知っていた感じさえする、なつかしい物語に思えた。木亭は昔聞いた物語をただ話しているという感じだった。
木亭は店内を見回した。
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