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ノーベンバーレイン{立ち読みサイト_モバイル版}
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僕はルクソールのレストランで、すごく甘くてねとねととしたパンケーキと、脂肪分の多い、なんだか片栗粉でも混ぜているんじゃないかと思えるような、ねっとりとしたミルクを朝食としてとっていた。
昨日のふいの雨とは打って変わって、今日は雲一つない快晴だった。僕はぼんやりとその青空を見ていた。そして、彼女が現れないかと考えていた。
「日本から来たの?」
三週間前、彼女は僕に声をかけてきた。僕はルクソール内にある派手なエジプト風カウンターでコーラを飲んでいるところだった。
僕はグラス片手にカウンターに寄りかかって、二月の太陽の光を全身に浴びる巨大な娯楽街を見ていた。
一九九五年のラスベガスは、ファミリー層をも顧客として取り込もうと、狂気じみた建物をわんさかと建てているところだった。一昔前のギャンブルというダークなイメージは全くなく、街全体を遊園地のような華やかさで飾り立てていた。巨大な資本が投入され、様々なアイデアが討論され、きっちりしたシステムの基に企画が形をなしていった結果、ラスベガスは地球上の他のどんな場所とも違う希有な街になっていた。
僕は声がした方を見た。
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