携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第十六章
[P009]
「明後日の午後三時に成田に着く予定だよ」と僕は言った。
「じゃあね、成田に迎えに行くわ。おいしいものでも食べましょう」と瞳が言った。
「チャーハンが食べたい」と僕は答えた。
なんでチャーハンなのよ、と瞳が訊いた。
「こっちは米がまずいから、ここのところうまい日本のチャーハンが食べたくて仕方がないんだ」
「なるほど。じゃあ、成田でチャーハンを食べよう。
おいしいチャーハンって空港で食べられるのかな?」
多分、と僕は言った。
瞳はじゃ、明後日ね、と言った。
僕は瞳に渡海に代わるように言った。
「今回はありがとう」と僕は渡海に言った。
「別にいいって。今、美里も来ていて三人でお茶しているんだ。
だからその後で、彼女の家に送っていくよ。それでいいんだろ?」
「ああ、頼むよ。このお礼はプレイボーイ一年分で許してくれ」
「ペントハウスもな。税関で没収されるなよ」
渡海は笑いながら言った。
それから、「じゃあな、元気で帰ってこいよ」と言って電話を切った。
<第十六章終わり>
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