携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第十五章
[O005]
僕は一体誰に話をしているのだろうと考えた。
そして何をしているのだろうと思った。
それから彼女は一体誰に話をしているのだろうと考え、彼女こそ何をしているのだろうと思った。
僕らは互いに目の前の相手に語り掛けてはいなかったのだ。
だが、互いに一生懸命に目の前の相手に語り掛けようとはしていたのだ。
しかも互いに相手のことを愛していたのだ。
それは特に理由のない感情だった。
どうしてそんな感情が芽生えてしまったのかは全くわからなかった。
だが、現実には芽生えて、成長してしまったのだ……。
<第十五章終わり>
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