携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第十五章


[O001]


初めて響子と交わった後、僕はすぐにもう一回彼女の中に入りたくなった。

だが、彼女は久しぶりだからひりひりしてしたくない、と言った。

僕はその言葉に少し驚き、どのくらいしていなかったのか訊いた。

響子は十年くらいよ、と言った。

僕はわけがわからなかった。

僕は彼女くらいの年齢の綺麗な人には、一ダースくらいのパトロンと十ダースくらいの男友達がいるものだと思っていたのだ。

僕はちょっと怖かったのだけれど、僕が彼女にとって何人目の男か訊いた。

響子はすぐに二人目よ、と答えた。

僕は少ししてから、響子の最初の相手は、僕が彼女に会った最初の日に彼女を迎えに来たベンツの男か尋ねた。

彼女は、そうよ、と言った。

でも今は、というかここ十年はしていないんだ、と僕は訊いた。

響子は寝たままうなずいた。

それから、あの人としたのは一回だけよ。
それ以来していないわ。どうしてかはわからない、と首を振りながら言った。
そして、多分あの人には家族があるからだろう、とも言った。

僕もそうなのかと最初は思っていた。

だが、違う。

僕はじきにその理由がわかった。

単純に言うと、彼も響子に手が届いていなかったのだ。



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