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『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第十三章
[M005]
次の日は前日の雨とは違い、からりと晴れた。
雲一つなく、湿度も適度で気持ちのいい日だった。
僕は煙突からのぼる白い涼子の煙を見ていた。
小さく弱い煙は、秋の風に吹かれて煙突から立ち昇るとすぐに青空に混ざり透明になり、消えていった。
それは何かの終わりを告げていたような気がしたが、それが何かは僕にはわからなかった。
僕はぼけっと半分口を開けて青い空の中に一本だけそびえ立つ煙突を見上げていた。
僕は、涼子はどこからやって来て、どこに行ってしまったのだろうと思った。
不思議なことにあれだけとめどなく流れていた涙はもう流れていなかった。
僕の心は落ち着いていた。
涼子はもう何も応えてはくれなかったし、僕には彼女がどこへ行ってしまったのかもわからなかった。
<第十三章終わり>
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