携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第十二章
[L001]
*
その時、僕は確かに自分自身でも走り過ぎているなとは思っていた。
でも走らずにはいられなかった。
それは僕自身ではどうすることもできないことだった。
充分に成熟した体に極めて不安定な精神が宿っていたその時の僕は、一度走り始めスピードがのると止めるのに一苦労する巨大な機関車だった。
その機関車は先にレールがきちんと敷かれているかどうかなんて関係なく、ただひたすらに膨大なエネルギーを使って走り続けていたのだ……。
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