携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第七章
[G014]
家に着くと、瞳は仏壇の涼子の写真を手に取り見ていた。
それからそれを元の場所に戻し、シャワーを浴びたいと言った。
僕は彼女にバスタオルと替えのパジャマを渡した。
瞳がシャワーを浴びている間に僕は顔を洗い、歯を磨いた。
鏡を見るとそこにはひどい顔の男がいた。
目の下にはくまができており、目は血走っていた。
僕はもう一度冷たい水で顔を洗ってから部屋に行って楽な格好に着替えた。
シャワーを浴び、パジャマに着替えた瞳が髪の毛をバスタオルで拭きながら出てきた。
僕はタオルを手に彼女と入れ替わりでバスルームへと入った。
熱いお湯を浴び、たばこ臭い髪の毛と体をごしごしと洗った。
手の傷が少しだけうずいたが、血は出なかった。
それからしばらく体をお湯にうたせて出た。
湯気のあがる体を拭き、服を着て、鏡を見た。
先ほど見たひどい顔の男よりかは少しましな男の顔がそこにあった。
きちんとした方法をとれば、こういったものは少しずつ改善されていくものなのだ。
部屋に戻るとベッドに瞳が寝ていた。
彼女は壁側に向いて、まるくなって寝ていた。
息をする度に体にかけたタオルケットが上下に揺れている。
僕は隣部屋に行き、タオルを丸めるとそれを枕代わりにしてソファーに横になった。
シャワーを浴びたせいか、すぐに眠気が僕を襲ってきた。
昼に暑さで目覚めると部屋に瞳はいなかった。
パジャマがきちんとたたまれてベッドの上に置いてあった。
テーブルの上にメモがあった。
「朝になったので帰ります
昨日はごめんなさい
夜、食事しよう 瞳」
<第七章終わり>
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