携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第七章
[G011]
通りを三人の外国人が歩いていった。
一人は黒人の筋骨隆々な男で、二人は細くて背の高い白人の女だった。
男が真ん中で二人の女が両脇にいた。
渡海と瞳も店を出てきた。
僕は〈R〉の方へと歩き出した。
渡海と瞳は僕の後ろで楽しげに何かを話していた。
少し歩いたところで僕は振り返って彼らを見た。
瞳は見たことのないサングラスをかけていた。
サングラスは横長でオレンジ色のグラデーションがかったものだった。
瞳はそのサングラスをした顔を通りの服屋のガラスに映して見ていた。
僕はサングラスのフレームに揺れるものを見つけた。
値札のように見えた。
僕が瞳に近づくと、瞳はサングラスを外した。
僕はそれを乱暴に取った。
瞳は少しびっくりしたようだった。
サングラスのフレームで揺れているものは、やはり値札だった。
そこには一五〇〇〇円と書かれていた。
「買ったのか?」
僕はサングラスを片手に持って瞳に言った。
瞳は首を横に振った。
「盗んだ?」と僕は静かに訊いた。
瞳は首を縦に小さく振った。
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