携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第七章


[G008]


「強いも何も……あそこを見ろよ」

渡海が店の壁に飾られたパネルを指さした。

そこには勝ち抜き人数の多い順にランキングがつけられ、強者の名前が書かれていた。

「一番上」

渡海が言った。

瞳はパネルの上、天井近くにある部分を見た。

あらー、と瞳は言った。

そこには僕の名前があるのだ。

一二六連勝。

「すごいじゃない、ユキ」と瞳が言う。

「あの時は所持金が少なくて、負けるのが嫌だったんだ。結局一〇〇円で三時間くらい楽しんだ」

僕は言った。

「戦ってみてよ」

瞳に言われ、僕はドレッド男のゲーム機を見た。

ドレッド男の連勝は三〇を超えていた。

ポケットを探り一〇〇円玉を取り出し、挑戦者の列に入った。

五分ほどで僕の番が来た。

僕は椅子に座り、一〇〇円玉をゲーム機に入れ、スタートボタンを押し、ドレッド男への挑戦が始まった。

いつの間にか周りに客が集まってきた。

僕はこの店ではそれなりに有名だったので、みんなが勝負を見に来たのだ。

ゲームが始まった。

僕はいきなり火がついたような攻撃を繰り返した。

出足の速い攻撃力の少ない技で相手のバランスを崩させておいて、そこそこの攻撃力のある技をあて、相手の体力を削っていく。

大技は出さない。

相手は防御し、体勢を立て直すのが精一杯で僕に攻撃をしかけるまではいかない。

一本目は圧倒的な差で僕がとった。



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