携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第七章
[G006]
僕らはその本屋を出ると今度はゲームセンターへと向かった。
普通、ゲームセンターは夜の十二時までしか営業できないのだが、その店は朝方までやっているボウリング場の中に併設されていた。
あくまでもボウリング待ちの客用というスタンスをとっているために、夜更けでもゲームをすることができた。
ボウリングをする必要はない。
店の方でもそこら辺はわきまえていて、ゲーム目当ての客が来ることも歓迎しているのだ。
他にこの時間にゲームを楽しめる店はないので、自然、お客は集まってくる。
そして、この時、いわゆる格闘ゲームがブームになっていた時期であり、強者と対戦することを望む腕に覚えのある客が夜遅くになればなるほど多く集まってきていた。
店の方もまたそこら辺を期待して、きちんと人気のある格闘ゲームの機械をたくさん設置して客が集まるようにしていた。
僕らがその店に入った時も、もう数時間で夜が明けるというのにも拘わらず、混雑していた。
ゲーム機から発せられるけたたましいエフェクト音やBGM、勝利者の歓喜の声や敗者のため息が洪水のように僕らを包んだ。
渡海は両替機で札を小銭にくずしていた。
僕と瞳はふらふらと店内を回っていた。
店員が瞳のことをちらりと見たけど、何も言わなかった。
ここは従来のゲームセンターにあるような年齢制限は関係ないのだ。
知った顔が何人かいた。
渡海は彼らと雑談していた。
ぱっと見では渡海と彼らは全くジャンルの違う格好をしていた。
多分、同じ学校のクラスメートであったとしても、彼らは互いに交わらないであろうと思われた。
あえて話し合う必要もないし、友達になりたいとも思わないような関係だ。
だが、ここでは違った。
彼らには共通の話題があった。
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