携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第七章


[G005]


「あら、渡海さんは?」

瞳が訊いた。

「俺は、ほら、冒険者だから。いろいろよ、いろいろ」

渡海が言った。

瞳は興味津々という感じだった。

僕はまずいなと思った。

「変な誘いにはのっちゃ、だめだ」と僕は言った。

かなり説得力のない言葉だなとは思っていた。

瞳ははーいと言って、足をぶらぶらさせながらカップを抱えるようにしてコーヒーを飲んでいた。

「怖い保護者だな」
渡海が言った。

渡海のおなかが落ち着いたところで僕らは再び外に出た。

午前三時だったが六本木の道には人が多くいた。

特にどこに向かおうとしているわけでもない人々があっちへこっちへと歩いていた。

僕らも特に目的地があるわけでもなく、くだらない話をしながら歩いていた。

深夜までやっている本屋に行った。

その本屋は普通の本屋では置いていないような少部数の、いろいろな意味でかなり偏った内容を扱った雑誌や本が置いてあった。

渡海は瞳にいろいろな雑誌を手に取っては、それがどうしてこの世に存在できるのかを大げさに語っていた。

瞳はけたけた笑って楽しんでいた。



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