携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第四章
[D007]
「失敗よ。こんなはずじゃなかったのよ。いつも行っている美容室じゃないからこんなになっちゃったのよ」
「そんなに変だとは思わないけどな」
実際変ではなかった。
よく見ると少しカールがかかりすぎているきらいはあったけど。
瞳は納得いかないと、首を横に振った。
「やっぱ、十七じゃなかったんだ」
僕がそう言うと、瞳はちょっとだけ唇をきゅっと閉めて、何か言いたそうに口を動かしていた。
僕はまた彼女を怒らせたかな、と思った。
やはり、いろんな意味で微妙な年頃なのかもしれない。
「……だましたのは悪かったわよ」
瞳が重い口を開いて言った。
「別に責めたわけじゃないんだ。ただ、本当は十四歳なんだって単純に思っただけだ」
僕は早口に言った。
わかってるわ、と瞳はつぶやきながら少しだけうなずいた。
「どこの学校に行っているの?」と僕は訊いた。
瞳は自分の学校の名前を言った。
なんだか聞いたことのあるようなないような名前の学校だった。
くだらないところよ、と瞳は言ってから、ふうとため息をついた。
「なんかお疲れみたいだな」
「苦手なのよ、こういう場所って。レストランがっていう意味じゃなくて、こうやってよくわかんない人が集まるのが」
「僕もあんまり好きじゃないな。同窓会とかにも行かないし。でも今日は君の名前がわかっただけでもよかったよ。この間は訊くのを忘れていたから」
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