携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第二章
[B004]
「相談にのってくれんの?」
「あまりあてにしないで欲しいけどね。僕はそんなにいい相談相手ではないと思うから」
「いいのよ、それで。じゃあねえ、好きな食べ物はなんですか?」
「はい? それが悩みなの?」
「そうよ。私が初めに電話をかけた相手の好きな食べ物がなんだかわからないから死にそうに悩んでいるのよ」
「なんだよ、それ」
「いいから教えてよ、若いのにはきはきしないわね」
「大きなお世話だよ。それになんで僕が若いって知っているんだよ。実は僕の知り合いなのか?」
「声で年齢なんて推測できるわよ」
「カレー」
「何?」
「カレーは三日に一回は食べてるかも」
「インド?」
「タイ風のスープっぽいやつ」
「そう、辛党なの?」
「どちらかと言えばね。甘いものも嫌いではないけど。あんこは粒あんが好き、こしあんは嫌い、白いのも嫌い」
「なるほど、覚えておくわ」
「覚えてなくていいよ」
「じゃあ、次」
「まだあんのかよ」
「あるわよ。互いによく知り合わないとね」
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