携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第一章


[A012]


彼女は僕の話を聞いてにっこりと笑った。

完璧な笑い顔だった。
 
サングラスのせいで眼は見えないけれど、多分すごく綺麗な人なんだろうな、と僕は思った。

「じゃあ、あまり寝てなくて、疲れているのね」
彼女が言った。

「いえ、今日は昼まで寝ていたから、今はそれほど疲れてはいないんです」
そう、と彼女が答えるのを見ながら、
「あの……こっちに住んでいる日本の方ですか?」
僕は疑問に思っていることを訊いた。

「ええ、今はここに住んでいるわ。二年ぐらいになるわね。その前は東京に住んでいたけど」

「東京のどこですか?」

「いろいろね。結構何度も引っ越しをしていたから」
彼女は微笑みながら言った。

それから「何故、私がこっちに住んでいると思ったの?」と聞いてきた。



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