携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第一章
[A009]
細身のジーンズをはき、なんの柄もない体にぴったりと張り付くようなTシャツを着ていたが、彼女にはどことなく高級感が漂っていた。
それはさりげなくつけたアクセサリーのせいかもしれないが、それよりも彼女自身の内側からにじみ出てくるもののせいであるように感じた。
僕は一瞬、彼女がアメリカ人なのかと思った。
日本人には似合わなそうな形のサングラスが似合っているところや、体型や髪型がアメリカの女優のように見えたからだ。
でも、日本語は上手かった。
僕は、日系のアメリカ人か、アメリカ生活の長い日本人なんだな、と思った。
「ええ、昨日来ました」
僕は彼女の方に向き直って言った。
彼女は店員にグレープフルーツジュースを注文していた。
「一人?」
彼女は店員からジュースを受け取りながら、また質問してきた。
「いえ、友達と二人です」
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