携帯恋愛小説
『ノーベンバーレイン』
窪璃音/著
第一章
[A005]
*
いくつかの失ってきたものがある。
もちろんいくつかの手に入れたものもある。
だけど思うにそれは代替行為ではないようだ。
簡単には交換したり、箱売りで何かと取り替えたり、価値を決めつけて日々その値段を上下させるようなものではないと感じている。
象の鼻とキリンの首を取り替えて、象をキリンに、キリンを象にすることができないのと同じようなことだ。
それでもやはり僕は何かと何かを比べてみる、ということをしてしまいがちだった。
それも、一人になると、ついそういった状態に落ち込んでいきやすいようだった。
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